グレイプフルーツ

この間誕生日だったのです。28歳になりました。
母親から果物が送られてきました。ビタミンとってね。ということなのでしょう。ありがたい。28歳ですから、ビタミンは不足しがちです。
果物の中にグレイプフルーツがありました。夏みかんのような外見ですが、グレイプ。ぶどう。これは、グレイプフルーツがぶどうのように木になるためなのですね。
さっそく横一文字にさくっと切りました。瑞々しい赤色の果肉がぎっしりと。
スプーンでさくっと、さくっと…ぐにゅ。
さくっと…ぐにゅ。

なんと、恐ろしいことを発見してしまいました。
グレイプフルーツは大きなスプーンでは食べにくい。果肉にうまく刺さらない。
そ、そんな。大は小を兼ねるって、そう言ったじゃないの。誰が?いやそれは知らないですけど…。
28歳の一人暮らしに、デザート用の小さいスプーンなんてあるわけねえじゃないの。
傷心の28歳。
結局グレイプフルーツは、皮ごと果肉を齧りとって皮だけ吐き捨てた。