穂村弘を読んだ

本屋探しても無かったんで、図書館に行って見つけてきた。無いはずだよ。ほとんど文庫じゃねーのな。
4冊借りた。手始めに『世界音痴』を読んだ。
世界音痴
穂村弘がどういう人かというと、本の中の一編“母”の冒頭を引用すると分かりやすい。

 私が味噌汁に手を伸ばそうとすると、食卓の向こうから「熱いよ」と声がかかる。母である。
 私は現在三十八歳で、勤め先の名刺には課長代理の肩書きがあり、重量挙げのベンチプレスで107.5キロを挙げたことがあり、何冊か本を出していて、日経新聞にエッセイを書いている。勿論、味噌汁など今までに何杯飲んだか数え切れない。

しかしこの課長代理、そんじょそこらの課長代理ではない。詩人で引きこもりの課長代理なのである。
立派だ。立派なもんだ。課長代理ったら偉いンだぞ。*1
エッセイもカラスヤサトシ系のトホホな妄想自己描写で面白いのだが、エッセイの最後い付けられている短歌が!短歌がなんか良いよ!


夢の中では、光ることと喋ることはおなじこと。お会いしましょう。

とかね。切れ味すごくね?
ワタクシ、人より色々気づくのが遅いことには自覚的なのですが、今回はまた極め付きだね…。短歌か…。

*1:その後の作品で、順調に課長に出世している描写があるようである。