関西の鰻

伊集院光の著書“のはなし”に鰻丼をテーマにした一編があり、それを読んだところ、「あぁ、そういや鰻丼というものを長いこと食ってないや」ということに唐突に気づいてしまったため、鰻丼を食いに京都の台所・錦市場まではるばる行ってきました。


が、やはり京都は恐ろしいところです母さん。
出てきた鰻丼がオレの知ってるのと大分違う。


オレが知ってる鰻丼の鰻というのは、良くも悪くも噛んだときは歯ごたえ無く『ふにゃっ』っという感触がして油とたれの味が口に広がるものでした。関東圏の人の多くは同じように思っていると思うのですが。


ところがオレがそこで鰻を噛んだ瞬間感じた感触は、『サクッ』でした。表面がカリカリなんですよ。んで、中まで歯が到達すると、中の白身がホロホロっと崩れるんです。あとね、たれは鰻の身にはそれほど浸透しておらず、上にかかっている程度。
「美味いんだけどさぁ。うーん…」
みたいな、なんとも言えない気分。友達数人で行ってて、たまたまその中に関西出身がいなかったせいなのか、食べ始めた途端にみんな黙りこくってしまった。


思うに、『美味いものを食いに行く』という目的で来ていたら、全くOK。オールグリーンだったのでしょう。しかし今回の目的は『鰻丼を食べに行く』だったのです。そのせいで『???』となってしまったんだろうなぁ。ちょっと自分、頭が硬いよ。


帰ってきて調べたら、関東の鰻は“蒸し”が入るのに大して関西ではこれがなく、焼き加減も関西の方が大分強火だということで、かなり納得。確かにそういう感じやったで。
関西来て3年目やけど、食べ物でこれほどカルチャーショック受けたのは初めてやったでほんまに。