施川ユウキ祭り開催中

一年に一冊出れば目出たしの施川ユウキ先生の単行本が、今月は同時二冊も!そんな馬鹿な!そんなことされたら祭りをせざるを得ないでしょ!?

森のテグー 1 (ヤングチャンピオンコミックス)

森のテグー 1 (ヤングチャンピオンコミックス)

え!?絵が下手なのに漫画家に? (ヤングチャンピオンコミックス)

え!?絵が下手なのに漫画家に? (ヤングチャンピオンコミックス)

森のテグー

去年までに完結した二作『サナギさん』『もずくウォーキング』も十分に面白い作品だったのだが、若干オレには不満があった。それぞれ「女子中学生の日常」「哲学する犬の日常」というある程度現実に近い世界に話を限定していたことである。そのような限定をした理由は明らかではないが、想像するに、何でもアリの世界だった処女作『がんばれ酢メシ疑獄!!』とは違う系統の作品とすべく、わざとそうしていたのではないかと思う。けれどね...「施川先生の100%じゃないのでは」という思いを持っちゃってたんだなぁ。
そこで「森のテグー」です。舞台は動物と人と精霊(みたいなもの)が共存する森。何でもアリの世界なのだ。『酢メシ』から5年ぶりに施川先生は全ての枷を取り払った!
そしてそれだけではないのだよ。『サナギさん』『もずく』連載の5年の間に手に入れたとんでもない武器、「小利口さんの可愛さ」をブチ込んで来ているのである。この武器はやばいです。ずるいです。心の乾燥肌が極上のハンドクリームを塗ったかのようにしっとりとしてしまいましたよ。
ということで皆買うがいいです。買って読んで、病んだ心に笑いを癒しを得ればいいじゃないの。

え!?絵が下手なのに漫画家に?

前半はデビュー前の暗い青春時代のエッセイ漫画になっており、面白要素は「森のテグー」などに比べるとだいぶ薄いんですが、個人的に身につまされるようなことが多くてちょっぴり泣きそうになりました。彼女と2人で一緒にいるときに『いつもだったら家でラジオ聞いてる時間だな...』とか!思っちゃう施川先生。ダメだろ!そんなこと思うな!とか...ね。
そして白眉はゼロ年代4コマ漫画会にやってきた“最後の怪物”ことカラスヤサトシ先生との対談なんですが...テーマが恋愛限定。そういう雑誌の連載だったんだろうし面白いことは面白いけど、もっといろんなコアなテーマで読みたかったかな。
施川ファンならという本でした。


そして祭り中なので買い損ねていた単行本もこの機会にAmazonに注文。

ツモっ子どうぶつの森 (近代麻雀コミックス)

ツモっ子どうぶつの森 (近代麻雀コミックス)

12月生まれの少年 1 (1) (バンブー・コミックス)

12月生まれの少年 1 (1) (バンブー・コミックス)