インビクタス

去年観たグラン・トリノが良かったので、こいつも観とかねばと行ってきましたよ。
ネルソン・マンデラの伝記的映画ということなので、どんだけご立派な聖人君子マンデラになっているかと思ってたら、思ったよりそうでもなかったです。
マンデラアパルトヘイト後に起きる白人資本の引き上げや、黒人と白人の人種対立が、南アフリカにとって大きな問題となることを感じていました。その問題の解決の一方策として、白人スポーツの象徴であるラグビー南アフリカ代表・スプリングボクスを国民全員で応援するように仕向け、さらにはW杯で優勝することを望みます。
つまりこれは全く政治的な問題なわけです。
しかしヒドい話ではないですか。人種融和のためにW杯で優勝しろとは、どんな独裁者もなかなか言えることではないですぜ。(とはいうものの、劇中ではマンデラはそのような希望があることを言外に匂わすものの、はっきりと言ったりはしないのであった。そこもずるい)
この独裁者的でかつ老獪な政治家なところと、スポーツを通じて人種融和が行われると信じている理想主義的な所が、なんだか妙な魅力を持たせていました。そこが良かったです。


ラストはベタでベタでしょうがない融和のシーンがこれでもかと続くんですが、これがいいんだ。くーっっ...。このベタなところでグッと来させるところが、イーストウッドの手腕なんだろうなあ。